詠み人知らず

いにしえを訪ねたくて ひとり来ました
古都は静かな雨の中 優しく迎えてくれました
いつかあなたと歩いた 嵯峨野辺りは人影も無くて
恋を失くした心に 語りかけてくれます

遠く万葉の昔より 人は恋に生き 恋に傷ついて
三十一文字の言葉の中に 想いを閉じ込めたのでしょう
戀ぞつもりて 淵となりぬる
戀ぞつもりて 淵となりぬる


詠み人知らずの恋唄が 時の流れを超えて
忘れようとすればするほど あなたを思い出させます
心を織りなす綾錦 乱れ乱れて散り急ぐ紅葉
嵐山は 今が盛り 消せない恋の炎のようです

百年いいえ千年 あなたのことを想い続ければ
私の恋はあなたの元へ 想いを届けられますか？
行くへも知らぬ 戀の道かな
行くへも知らぬ 戀の道かな