好きになってはいけないと
最初から分かっていたのに
それでもあなたに惹かれていったのは
ただ私が抵抗する力が無かっただけでしょうか

周りの印象では 優しいあなたが
不意に見せるなんとも言えない表情が
なんだかとても気になって
それでも数秒後はなんの変わりなく
笑って皆の和に入っていたりして
そんな所が不思議でしょうがなかった

最初はただそれだけだったのに
私の無いものを持っている人だって
羨ましいって思った
ただただそれだけだったのに

一緒にいる時間が、ただそれだけで、
声や気配や温もりを感じるただそれだけで、
その瞬間が、今一番幸せだって、
思う。いつも、必ず。

でも、私はあなたを強く求められる立場ではなく
あなたから強く求められた訳でもない
幸せだと感じた分1人になると強く思ってしまう
『好きになんかならなければ良かった……』と。
そんなこと、思っても意味なんかないのに。


最初は私が好きと言ったことに
大人のからかいのように手を握ってきた
かと言えばはぐらかす態度をしてきたあなた

私を慰める頭を撫でる仕草が今は当たり前になって
最初に強請ってしてくれたハグも、
強請らなくても自分からしてくれるようになった
何かあれば電話もしてくれるようになったし、
話せば何時間もという事も普通だった
私が泣けば慰めてくれる時も、逆にとてつもなく怒ることもあった
きっと仲間の誰よりも濃い時間を共有してきたってそう思える

一緒にいるその瞬間が、ただそれだけで、
幸せだって感じるのに
抱きしめた温もりや、抱きしめられた感触は嘘じゃないのに、
その瞬間が一番幸せだってそう思えたのに、
あなたの心は2番手の部分でも私のモノではなく、
あなたは多分、そこまで私を思ってはいない

立場として好きになってはいけない人であると同時に
人として、ちょっとわかりずらいあなたという人が、
私の心を蝕み始めてる。
そんなこと…最初から分かっていたら良かったのに。


それでもどこかで、
あなたの1番大切な人たちよりも
私の方が一瞬でも心に寄り添えてると、
支えられていると、
純粋に繋がっている瞬間があると、
それは私の独りよがりではないよねと、
何度も夢の中であなたに問いかける。
この答えは、いつでるのだろう。
永遠に答えなんか出ないのかもしれない

一緒にいる時間が、ただそれだけで、
声や気配や温もりを感じるただそれだけで、
その瞬間が、今一番幸せだって、
思う。いつも、必ず。
それは嘘じゃない。
だから私は、綺麗に終わる結末を口では探しながら、
今日も深くあなたのことを思っている。

もう傷つきたくないと思いながら、
今度あなたに会える日を指折り数えて待っている。
まるで、永遠に咲くことの無い花のような運命だ。