西から東へ流れたら
僕は隅のバーコード



走り出した電車の中で
頷くように眠る




思ったほど華やかでもなく
灰色の空 よく 似合う




綺麗な夕日 なんて見ない
湿った夜空 いつも見てる



押し寄せるように
向かい合うのは


鏡で見たような

バー コード





東へ西へ流れたら
僕は隅のバーコード


疲れた体に押し寄せる
ラッシュ時のマッサージ




西へ東へ流れたら
僕は隅のバーコード



うなだれるように眠る
別に気持ち良い訳じゃない




僕は見て
感じて
知った
はずだろ




喜んで
泣いて
笑って
いただろ





隅置きの物じゃない
冷蔵庫のカラシじゃない



だけど僕は僕は
しなびたネクタイ
バーコード




しなびたネクタイ
バーコード