魚藍坂
⑴
時を越えた色合いの街並み
環状八号線沿いを行けば
懐かし色の看板に出逢う
二人で暮らした街
喧嘩も楽しかった街
仲直りのコーヒの香りを
今でも覚えています
テーブルの切花の可憐さ
ソファーで抱き合ったね
大きな画面でいつまでも
深夜映画を見ていたね
⑵
泥の跳ねたスキーカーを洗い
風に太陽に乾くのを見ていた
breakfast代わりのsmoothie
飽きずに勧めてきたね
それも懐かしい記憶です
夜明け直近のSirenの音
眠りの浅い君が
潜り込むように縋りつく
閉め忘れた窓の隙間から
月の光と風が覗き込んだ
それが眠れない言い訳
赤い色したの郵便車が
残酷な結末を運んできた
見なくてもわかりすぎる
哀しい答えを中に秘めて
魚藍坂は変わらないけど
魚藍坂は想い出の街
通り過ぎることしか
これからは出来ない