孤独なメヌエット



期待外れも廃れて
擦り切れた宝石で


虚空の中で歌って
声を枯らして呑んで



道行く人の姿に怯えて
旋律を奏でている 


鏡の中であざ笑う
真紅の微笑



されど行方に
戸惑いを覚える


彼方は果ては
幾年先の夢



されど行方に
姿を晦(くら)まして



踊り狂えども
陰りは消えない




時代の果てに消えて
才もないこの頃で


未知行く人も消えて
過去も在りはしないで



凡のままで時だけを
進めて旋律を奏でている



硝子細工に丸びて
顰(しか)めている銅像



されど行方に
戸惑いを覚える



彼方は果ては
幾年先の夢



されど行方に
姿を晦ませば


まぼろの城で
踊り続けよう



まぼろの城で
踊り続けよう