暗い ふちの 海の底に
暗くなって 丸くなって


たとえ 二度と  ここへ 戻れなく
なるのでしょう


沈む 体 落ちて 溶けて
冷たくなって 固くなって 


砂で生まれた城のように
消えてゆくのでしょう



何不自由も無い貴方には
きっとわかりっこないはずでしょう


心の中は全て 闇のまた闇の
深い海へと
 


私は蝶になって 黒くなって 影となって 
貴方の元から消えてしまえば 良いのでしょう



貴方は蛾になって 白くなって 光となって
私の事など忘れてしまえば 良いのでしょう




憎しみは生まれて 消えてゆく 瓦礫のように
荒地から生まれてきた芽に罪は無いのでしょう
水をあげて育つ大地は大きく揺らめき
貴方に差し上げる花束を 一つずつ 紡いでゆく




私は 蝶になって 花を摘んで  
貴方の元へ還る前に 堕ちていくのでしょう



貴方は蛾になって 白くなって 光となって
私の事をなど何も知らずに 眠るのでしょう