赤い夕日が蒸し焼けた肌色の景色
遠くまで陽炎が滲む 淡く脆い汗


燻された草木
飛び入る虫
白く上がる狼煙



さては雨が降るかな
人知れず 雨乞い



どこからか誘う
香の匂いを
残して道は続く



焼けた景色
紅い顔
瞳に見える炎


照らされ斜陽になる
頬をかすめ すれ違う




遠い目を 追う川の
目を覆う虫の羽音


焦げる地の 紅い夏の
夜の前の 世のざわめき


焦げる地の 紅い夏の
夜の前の 世のざわめき