Wandering bar

夜な夜な現れるあの女性は
派手目のルージュでcocktailを
いつもひとりと聞いたなら
頷き乍らまた酒を飲む
ネクタイずらした
サラリーマン
優しい言葉の下心
サラリとかわして微笑ってる
夜景の映る窓ガラス
誰かを待つように見つめたら
不意に風が変わったと
静かに店を出て行った

飲み手のいないボトルがひとつ
忘れたみたいに置いてある
琥珀に歴史を詰め込んで
剥がれたラベルに見えた明日
馴染みの顔が
酔いながら
馬鹿のついでに酒を注ぐ
窓の向こうに2つの影が
寄り添いながら歩き出す
呑まれた酒をせがむよに
ふたり座ったcounter
時を戻して笑ってる

誰もカレモが酔いしれる
拙い筈のBGMが
心地よさげに流れてる
男と女のWandering bar
時を戻せるWandering bar