魚藍坂

時を越えた色合いの街並み
環状八号線沿いを行けば
懐かし色の看板に出逢う
二人で暮らした街
喧嘩も楽しかった街
仲直りのコーヒの香りを
今でも覚えています
テーブルの切花の可憐さ
ソファーで抱き合ったね
大きな画面でいつまでも
深夜映画を見ていたね


泥の跳ねたスキーカーを洗い
風に太陽に乾くのを見ていた
breakfast代わりのsmoothie
飽きずに勧めてきたね
それも懐かしい記憶です
夜明け直近のSirenの音
眠りの浅い君が
潜り込むように縋りつく
閉め忘れた窓の隙間から
月の光と風が覗き込んだ
それが眠れない言い訳


赤い色したの郵便車が
残酷な結末を運んできた
見なくてもわかりすぎる
哀しい答えを中に秘めて
魚藍坂は変わらないけど
魚藍坂は想い出の街
通り過ぎることしか
これからは出来ない