零の記憶

生まれたての子犬を
抱き上げる様に
あなたは見つめて囁いた
私の子供で良いですか
私が母でいいですか

暖かい温もりと乳房
見るもの全てがあなたを通して
白い建物と白衣の女性達
笑顔で笑いかける
これから始まる命のページ
全てを重ねて行く 零の記憶


湯船に浸しながら
優しく拭ってくれる
私を愛おしそうに抱いた
私は両手で探してた
あなたの瞳を探してた

緩やかな時間の中で
目覚めた時に笑顔のあなたがいた
優しく背身体を抱きしめ乍ら
笑顔で笑いかける
これから始まる命のページ
全てを重ねて行く 零の記憶